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#71
2007-12-09
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数学的にありえない

数学的にありえない


今回は洋書のサスペンス小説です。
約一年半前に書店の新刊コーナーに並んでいて、
タイトルを見て即購入した一冊です。


数学的にありえない
アダム ファウアー (著), Adam Fawer (原著), 矢口 誠 (翻訳)
文藝春秋


「数学的にありえない」というタイトル通り、
数学の要素を散りばめながら展開されるサスペンスストーリーです。
数学の中でも主に確率論を用いた内容ですが、
「数学が分からないと意味が分からない」ってこともなく、
程好く理論を使いながら、スリリングにうまく描かれています。
天才数学者であり、自分でも気づいていない特殊な能力を持っている主人公が、
その能力のために巨大組織の陰謀に巻き込まれていく物語。


数学、確率論といってもちょっと無理やりかな、と思えるとこもありますが、
あくまでSFだと思って読めば十分に楽しめます。


僕は物理が好きで、この世界のあらゆる現象は理論的に説明可能だと信じてます。
理論的に説明が出来るということは、完璧なシミュレーションを行えば、
未来は完全に予測が出来ると言うことです。
でも、物理をやっていく中で(学校で学んだ一般的な程度のものですが)
「量子論」に出会い、「不確定性原理」を知り、
未来を完全に予測することは不可能だと言うことを知ったわけですが。
でも、アインシュタインの、


「神はサイコロを振らない」


と言った気持ちは、僕もすごくわかります。。。


結局、不確定性原理というモノがあるせいで、
この世界は「確率」に支配されているわけですが、
でもその確率を導き出す行為を極限まで精度を高めれば、
それはそれで未来を予測することになる。
そんなお話がこの「数学的にありえない」だと思います。


数学も物理も、一般的な知識しかありませんが、
でもある意味、確率論こそがこの世で唯一絶対的な真なのかなと思います。
なんせ確率論は間違うことがないわけですから。
ちょっと前に書いた「生物と無生物のあいだ」でも、
生物を説明するときにはやはり確率が出てきますし。


でも確率が絶対だと思えないのは、
「予測する現象に対して影響を及ぼし得る、あらゆる現象を踏まえる」
ということが現実的には不可能だからなんでしょうね。
それでもこの「数学的にありえない」では、
確率論のおもしろさが伝わるエピソードなんかも出てくるので、
そのあたりもオススメのポイントです。




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